オリーブの葉 効能1 見出し

本画像

 栄養が豊富で美味な食材であるオリーブは、オイルや緑や黒色をした実に多くの有効成分があると考えられていました。一方で1938年、フランスの医師によって『オリーブの葉は植物性の抗高血圧剤』として報告されています。この効果は最近になって化学的にも薬理学的にも試験が行われ、オリーブの葉に含まれるいろいろな成分が調べられています。その結果、血圧降下作用の主体はオロイロペインというオリーブの葉の苦味成分であることが分かってきました。
 また、このオロイロペインには抗酸化作用があり、いろいろなフラボノイド類と同じ働きをし、体内の毒素を排出して動脈硬化の予防に効果があることも分かってきたのです。そして最近になって、老化防止やがんの予防効果もあることが平成12年11月24日の学会で報告されました。発表をしたのは、長年にわたり生薬の研究を続けている北海道医療大学の西部三省教授と和田啓爾教授の研究グループです。
「オリーブの葉には、昔から血圧を下げる効果や抗菌活性があるといわれています。しかし、強い抗酸化作用もあるので老化やがんの予防が期待できるのです。私たちの身体の中には、老化やがんを引き起こす有害な物質がたくさん入ってきます。それを排除したり解毒してくれるいろいろな酵素を人間は備えていますが、その酵素を活性化するのがオリーブの葉に含まれているオロイロペインです」(西部先生)
私たちの身体は、毒性のある物質や発がん性物質が体内に入っても、肝臓で解毒し、尿と一緒に排出する働きがあります。その第一段階が肝臓に多く含まれるグルタチオンという物質との反応で、この反応にはグルタチオンS─トランスフェラーゼ(GST)という酵素が必要になります。極端にいえば、GSTがなければ毒性物質も発がん物質も排出されないことになります。そして、オリーブの葉に含まれるオロイロペインには、このGSTを増やす働きがあることが実験で確認されたのです。
西部先生によると、オリーブの葉が手に入るようならお茶として飲んでも効果があると言います。その時はできるだけ良質の葉を選び、天日でよく乾燥させてから細かく砕いて、普通のお茶のように飲むこと。健康維持のためにも一度試してみてはいかがでしょう。サラダのドレッシングやいろいろな料理に使われているオリーブオイルやオリーブの実は健康に良い食材として知られていますが、最近になってオリーブの葉にも有効成分があることが分かってきました。
平成12年11月学会で発表「自然と健康」1月号掲載

オリーブ茶は体に役立つ成分がいっぱい

成分表

資料提供:


日本食品標準成分表(単位mg、100中)
科学技術庁資源調査会

オリーブ茶分析:


第OS2803047-001号
第OS2902035-002号 
財団法人日本食品分析センター
※分析値の一番高いものについては、
下線にて示してあります。
※単純に0と表示することが
望ましくないものは、微量という意味で
бを用いました。